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着床前診断での産み分けは国内で可能?失敗することはあるの?

産み分けに興味を持っている方であれば、着床前診断という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
着床前診断とはどんなものなのか、仕組みや方法、成功率や費用について具体的な内容をご紹介します。

医療的、倫理的に難しい内容を含んでいますが、産み分けについての理解をより深めて頂けるのではないでしょうか。

着床前診断とは?

まずは、着床前診断とは一体何なのか、歴史的な背景も合わせてご紹介します。

着床前診断って何?

着床前診断って何?
着床前診断とは、体外受精によって得られた受精卵に異常がないかを調べる検査です。

世界で初めての着床前診断はイギリスで行われました。
遺伝子疾患を回避する目的で性別が診断されたのです。
1990年のこの出産例を最初に、2007年までに ヨーロッパ不妊学会に登録されているだけで5,000人以上が、制限なく着床前診断が行われているアメリカでは60,000人以上が着床前診断を経て誕生しています。

受診のためのハードルは、風土や宗教的な理由から国によってまちまちで、日本では着床前診断を受けるための条件が世界的にも厳しいと言えます。

着床前診断の本来の目的は?

着床前診断の本来の目的は?
着床前診断を行う目的は大きく以下の2つです。

  1. ・流産や不妊の予防
  2. ・遺伝性疾患の予防

流産の原因は染色体異常が80%です。
着床前診断で受精卵の染色体異常を調べ、異常のない受精卵を選定することで流産の確率を下げるのです。

また、両親のどちらかが遺伝性の病気を保因している場合に、病気が遺伝しているかどうかを診断するのが2つ目にあたります。

着床前診断の目的は、遺伝子疾患や流産、不妊の予防だということが分かりました。
では産み分けのために着床前診断を受けることはできるのでしょうか?

着床前診断で産み分けは可能なの?

授かる子供の性別は、受精卵の時点で決定されます。

したがって、着床前診断では受精卵の遺伝子を詳細に調べるため、性別を判定することが可能です。
性別を判定した受精卵を体内へ戻し、着床させることができれば産み分けができる、ということになります。

そこで気になるのは産み分けの成功確率ですよね。

着床前診断の産み分けの成功の確率ってどうなの?

着床前診断では染色体レベルでの診断を行うため、受精卵の性別を100%の確率で判断することができます!
しかし、100%産み分けできるというわけではありません。
なぜなら着床前診断を受けた受精卵が着床する確率は100%ではないからです。

着床前診断は受精卵を診断し、流産防止の確率を上げることはできますが、着床させ妊娠するための確率を上げるためのものではありません。

以下のデータが示すように、
そもそも質の良い受精卵を得られなければ 着床前診断を行っても妊娠までたどり着けず費用だけが高額になり、出産に結びつかないパターンも多くあります。
そのため着床前診断の診断に慎重になる方が増えたという意見もあります。

なお、欧米では高齢女性に対して体外受精を施行する場合、染色体異常を調べる受精卵診断(着床前診断)が実施されています。これは異常な受精卵を廃棄するだけで、高齢女性の正常卵が増加することはあり得ませんから、出産できるようになる技術ではありません。一見よさそうなために欧米で流行しましたが、高額な割に出産に結びつかないことが理解され、減少し始めたところです。

一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ – 不妊症Q&A:Q19.女性の加齢は流産にどんな影響を与えるのですか?

また、体外受精の妊娠継続率は着床前診断を行った場合のほうが低いという研究結果もあります。

妊娠継続率

体外受精のみ 着床前診断あり
37% 25%
着床前診断の妊娠継続率は25%であり、体外受精のみでは37%と着床前診断の群の妊娠率が低下するという結果でした(Mastenbroek et al. 2007)。メタ解析(質の高い研究を症例を集めて再解析した)の結果も「着床前スクリーニングを行うと妊娠率は低下する」という結果でした(Mastenbroek et al. 2011)。

着床前診断についての科学的根拠|名古屋市立大学大学院医学研究科 産科婦人科からのお知らせ

このように着床前診断は、受精卵の段階での産み分けが100%でも妊娠継続率が高いわけではないこと分かります。
とはいえ産み分けが確実なのであれば、どのように受けることができるのか興味がわきますよね。
次の項目で早速見ていきましょう!

着床前診断の産み分けってどこで受けることができる?

産み分けのために着床前診断を受けることはできるのでしょうか。

日本で受けられる病院はどこ?

日本で受けられる病院はどこ?
産み分けのために着床前診断を受けることのできる日本のクリニックは、ほとんどありません。
なぜなら、産み分けは「命の選別」につながるとして、倫理的な側面から日本産婦人科学会が参入を見送ってきたためです。
日本で産み分けのために着床前診断を行うためには、日本産科婦人科学会の見解から外れたクリニックを探す必要があります。

着床前診断自体を受けることのできるクリニックはありますが、不妊治療として一定の条件を満たした場合のみに限定されており、性別の告知がされることはほとんどないそうです。

産み分けの確実性を求めて着床前診断を考える方が多いと思います。
産み分けのために着床前診断を受けることはできないのでしょうか。

受けるにはどういう手段があるか

日本で受けることが難しいのであれば、
日本ではなく海外で着床前診断を受ける、という手段があります。

具体的な流れは次の2通りあります。

  1. ・海外へ渡航し、海外で着床前診断を受ける
  2. ・日本から受精卵や受精卵のDNAを海外へ輸送し、海外で着床前診断を受ける

そこで、海外の着床前診断についても調べてみました。

着床前診断の海外事情

着床前診断の海外事情
性にオープンで医療の発達した国々では、着床前診断や代理出産など、生殖医療にも選択肢があります。
特にアメリカとタイへは生殖医療を受けるための人々が世界中から訪れています。

アメリカ

特に自由の国アメリカでは、2人目以降の出産を考えた時に家族のバランスをとるため、担当医の許可だけで着床前診断を受けることができます。
代理出産と着床前診断を合わせて行うなど、様々な手法にチャレンジすることができますが、高度な医療サービスのため高い費用が必要になります。

タイ

一方、タイではアメリカの半額ほどの費用で施術を受けることができます。
そのため、安さばかりを重視した利用者にトラブルが発生し、2014年に法の整備が行われました。
以前は制限なく受けることのできた着床前診断は、不妊治療のためのものと明言されています。
しかし、現地では日本よりもまだ診断のための条件が低いクリニックが多いんだとか。

着床前診断の費用はどのくらい?

医療費はどのくらい?
着床前診断には保険が効かないため、費用は高額になりがちです。

着床前診断自体はおよそ10万円ですが、体外受精や胚移植といった一連の施術を受けると1回で30~50万円になります。

治療費用(例)
体外受精 330,000円
着床前診断 100,000円
長期培養(3日目) 10,000円
余剰胚凍結 10,000円

引用:治療費用 | セントマザー産婦人科医院

一度で着床しない場合もあるため、この流れが複数回繰り返される可能性もあります。

また、海外へ渡航し着床前診断を受ける場合は以下が相場だといわれています。

アメリカ 400~500万
タイ 200万
輸送 300万

着床前診断で産み分けをする場合の仕組みや方法は?

検査はどんなことをするの?
先述した、日本から受精卵や受精卵のDNAを海外へ輸送し海外で着床前診断を受ける場合など、流れはどのようになるのでしょうか。

着床前診断の流れはこうなっている

日本にいながら着床前診断が行える輸送を利用した場合の流れを見ていきましょう。
着床前診断を海外で受ける方法

  1. 日本のクリニックでの体外受精
  2. 受精卵の培養、または胚盤胞から細胞を採取してDNAを増やす
  3. 産み分け認められている海外のクリニックへ輸送
  4. 海外のクリニックで着床前診断の検査実施
  5. 日本のクリニックへ受精卵の輸送、または結果の連絡
  6. 日本のクリニックで胚移植

引用:着床前診断【染色体異常・男女産み分け】 | 株式会社CGL

個人で手配するのが難しい方は、専用のエージェントに依頼することもできます。
体外受精や着床前診断、海外郵送の費用に加えて仲介手数料がかかり300万円ほど必要と考えておきましょう。

検査ってどんなことをするの?

検査の流れは、体外受精の流れとほぼ同じです。
受精卵の培養段階で、着床前診断が行われます。

  1. 排卵誘発剤を使って卵巣を刺激、排卵させる
  2. 卵巣内にある卵胞に針を刺し、採卵する
  3. 体外受精もしくは顕微授精で受精させる
  4. 得られた受精卵を3~5日培養する
  5. 受精卵の割球を取り出し胚生検を行う
  6. 割球の染色体に着床前診断を行う
  7. 診断の結果、正常もしくは均衡型の受精卵を選定する
  8. 胚移植を行う

引用:採卵~体外受精or顕微授精~胚移植 | セントマザー産婦人科医院

母体に関わってくるのは排卵、採卵と胚移植の段階です。

着床前診断のメリットとデメリットは?

着床前診断のメリットとデメリットは?
着床前診断での産み分けは可能であるということをご紹介しましたが、着床前診断を受けることでメリットデメリットはあるのでしょうか。

メリットは?

  • ・流産や不妊の予防
  • ・遺伝子疾患のあるご夫婦が子供を持てる可能性がある
  • ・出生前診断の結果を受けた中絶手術の回避

デメリットは?

  • ・高額な費用
  • ・期間が長期化する可能性
  • ・結果的に妊娠、出産できるとは限らない

着床前診断にはメリットがある反面、行うためのハードルが高くデメリットも多くあります。
産み分けのために海外を利用するとなると更に安全面やコミュニケーションの問題が加わります。

パートナーときちんと話し合い、施術を受けるクリニックが信頼できるかどうかなど、情報を集めた上で見極める必要がありますね。

着床前診断を試した人の体験談

実際に海外で産み分けにチャレンジした方々の体験談をご紹介します。

  • 現在海外在住で産み分けのための体外受精をしています。年齢は私が38歳、主人が36歳です。もともと不妊ではなく第一子をタイミング法で授かっています。産み分けのための妊活(女の子希望だったので排卵日の2~3日前に性交する、酸性ジェルを使用する)を数ヶ月トライしましたが、確実ではないということで体外受精に切り替えました。金額は採卵2回、移植1回と薬剤含めて3万ドル程度(おおよそ330万円)です。女の子産み分けなので普通の体外受精と違い、たくさんの胚盤胞を得るために2回採卵を行いました。最終的に着床前診断で正常な女の子の胚盤胞を5個獲得することができ、2018年2月に移植予定です。着床前診断の正常卵確率は年齢的には40%程度でしたが、54%と良い結果となり、ドクターに勧められた低炭水化物・高たんぱく質の食事療法が功を奏したものと思います。

    かのん/38歳/女の子

  • ①妊活をしていた時のパートナーの年齢・・・30歳
    ②妊活期間・・・およそ5年
    ③施術に至るエピソードや費用や診療内容など・・・夫婦で徹底的に相談しました。費用は、渡航滞在含めてざっと300万円でした。診療内容は、体外受精・着床前診断(ちゃくしょうぜんしんだん)(PGD)による産み分け でした。
    ④良かった点、失敗した点、アドバイス、結果など ・・・良かったのは、実績のある病院にかかれて安心して頼ることができたことです。失敗した点は、特にはないのですが、あえていうならば自由時間をもてあましてしまったことぐらいです。アドバイスとしては、勇気と決断がいると思いますので、やはり伴侶とじっくりと意思疎通をしておくことが大事だと思います。結果としては、事前に夫婦でじっくりと話し合ったことが最後まで頑張れた力となってくれたと思います。夫婦の絆がさらに深まりました。

    kirinnsann/32歳/男の子

渡航での着床前診断は300万円ほどかかるという体験談をいただきました。
お二人ともクリニックやドクターに対して信頼感を持っていることから、ご自身でクリニックを見極め、安全性を重視されていることが伺えます。
パートナーとじっくり話し合い、助け合って長期戦を乗り越えることが改めて重要だということが分かりました。
貴重な体験談をありがとうございました!

着床前診断とパーコール法との違いは?

パーコールと着床前診断の違い
着床前診断は体外受精で得られた受精卵を診断するもの、ということを既にご紹介しました。
着床前診断には2種類あり、受精卵に特定の染色体異常がないかを調べるPGDと、流産防止のために染色体異常のない受精卵を選定する方法がPGS(着床前スクリーニング)です。

どちらも体外受精の一部として行われます。
そもそも体外受精というのは、採取した複数の精子を卵子の上にふりかけ、体外で自然に受精させる方法です。

体外受精の一部として行われる産み分けには、パーコール法とよばれる方法もあります。
パーコール法は日本で医療的に行える産み分け方法です。
着床前診断とどんな違いがあるのでしょうか。

パーコール法との違いは?

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パーコール法とは、精子の特徴を用いて性染色体ごとに選別し、人工授精させることで産み分けを行うものです。
女の子を希望する場合に適用される産み分け方法ですが、以下のデータのように成功率は7割前後です。

第一は、一九七三年に米国のエリクソンにより開発された方法で、エリクソン法といわれる。それは、X精子と比べてY精子の方が運動速度が速いことに基づいている。この方法を利用すると、男女の産み分けは、男子七〇~八〇パーセント、女子六〇~七〇パーセントの成功率といわれる。
[出典:遺伝子のひらめき: ここまでわかったDNAの不思議な世界 PHP研究所 太田次郎著]
当院での 開院以来 6年間の パーコール法実施の成績も 約65%~70%と考えています。 ですから 女の子がほしい 女の子以外は考えられない と お考えの場合 受けられるのは お勧めできません。
すずきレディースクリニック :::うみわけ

費用は人工授精を含めて1回で2万円~5万円程度です。

パーコール法がおすすめなのは

  • 確実性は着床前診断より低いが国内で受けることが可能
  • 数万円で費用を抑えたい

着床前診断がおすすめなのは

  • 確実に産み分けをしたい
  • 高額な費用、長い期間がかかることは理解している
  • 信頼できるクリニックやエージェントを自分で見極める必要がある

パーコール方は確率では着床前診断に劣りますが、チャレンジするハードルは低いといえます。
両方の特徴を考慮した上で、自分にあった産み分け方法を見つけてくださいね。

まとめ

着床前診断は産み分けをするための確実な方法ですが、受診のためのハードルがとても高くリスクも多いことをご紹介しました。

  • 安くても200万円以上という高額な費用
  • 渡航の場合、最短でも2週間以上かかる
  • 輸送などを利用しても、一度で成功するとは限らないので年単位での期間がかかる場合がある
  • 結果的に妊娠、出産できるとは限らない
  • 海外で受診する場合、安全面などを自分で見極める必要がある

具体的に着床前診断を受けたいと考えている方は、施術を受けるクリニックが信頼できるかどうかをきちんと見極める所から初めてみてはいかがでしょうか。

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